2006年4月14日金曜日

出張第2週4日目

帰りの新幹線。13号車の指定席には小柄な中年女がすでに座っていた。確認してみると腑に落ちない表情になってハンドバッグから乗車券を取り出す。覗いてみた。座席番号は合っているが12号車である。「あ、ごめんなさい」とかなんとかいう言葉つきがどうも片言っぽい。もしかしたら中国かどこかの人だったのかもしれない。列車も動き出していたようだし立たせるのも何なので、こちらが12号車に移ることにした。なんて優しい俺。

そこにも先客がいたが指定券なしで居座っていたらしく、前の座席の背もたれのネットに菓子やらペットボトルやらを残して退散していった。ようやくシートに落ち着き松浦商店のうなぎ三昧を食っている間、大きい荷物を通路に置くときは車掌に一声かけてくれという車内アナウンスが入る。そして続けて「14号車のデッキに段ボール箱を置かれた方はお申し出ください」と来た。

なんだそれは。ひょっとして爆発物じゃないのか。もしあのまま13号車(しかも今から思えば14号車寄りの席だった)に乗っていたら爆弾テロに巻き込まれて死んでいた可能性が高い。12号車に移ってきておいてよかった。まぁ、代わりにあの女の人が死んじゃうわけだけど。なんて冷たい俺。でもほんとによかった助かった。と思って安心しているうちに眠ってしまい、目覚めたころには途中なにごともなく終着駅に近づいていたのだった。