中島みゆきの「世情」の歌詞を世の人々はどのように捉えているのだろうか。ちょっと検索してみた。
やっぱり「包帯のような嘘」という一節の解釈がオレとはちがうなぁ。ここ(なんか古文の参考書みたいで笑える)とかここ(真面目そうなので好感はもてるが)とか。
その前の「臆病な猫」をどう解釈するかにもよるんだろうけど。
包帯のような嘘ってんだから、いわゆる真っ赤なウソとは対極にあるもんなんじゃないのか。
そんな嘘でもつかないことには、生きていくうえでの辛さ苦しさ悲しさを乗り越えていけない、そういう類の嘘のことだろうよ。
つまり『生きていてもいいですか』の「エレーン」が口にするような嘘。
じゃなきゃ「包帯」という言葉は意味ないよね?
で、その「包帯のような嘘を見破ることで/学者は世間を見たような気になる」と続くわけだけど、これはつまりあれだ。
包帯のように、そもそも「見破る」必要もないほどに、見るからに明らかで痛々しい嘘に対して、したり顔で「それって嘘だよね」などと口に出して指摘するような無粋なことはすんじゃねぇよ、ということだと思う。
だからここでの「学者」は職業とかとは全然関係なくて、何もかも言葉にしてしまう無神経な輩すべてを指しているのだと思う。ま、その中にはオレみたいなのも含まれるのかもしれないが。
あと、順番が前後するが「包帯のような嘘」は「他愛のない嘘」とも歌われてる。この「他愛のない」も侮蔑のニュアンスで捉える人が多そうだけど、それもちがうような気がするな。
むしろ「誰しもそういう嘘に頼らずにはいられないときがある」「だからあなたは自分が嘘をついてることで負い目を感じたりする必要はない」という赦しのニュアンスだと思う。