2008年1月2日水曜日

毒を入れないで

劇団フーダニット第4回クリスマス公演。西葛西の駅から清新町コミュニティ会館に行く途中、マルエツのロゴが変わってるのに気づく。ま、それはいいとして。

今回は12/22(土)夜と12/23(日)昼の2回のみ。若竹七海戯曲第1弾の再演。台風に見舞われ陸の孤島と化した喫茶店で起こる殺人事件。クリスマス公演なのに台風ってのがちょっとアレだが(笑)

要介護の母親を抱えた気弱そうなマスターと、それを手玉にとるウェイトレス。金満家の叔母さんを呼び出して何か企んでいるカップル(ゆかりとケンちゃん)。雨宿りなのか打合せなのかよくわからない、次回作のストーリーをああでもないこうでもないとひねくりまわすサスペンスドラマのスタッフ。あと近所に住む(携帯の体感ゲームが好きな?)常連客。

ウェイトレスのスレた感じがいい。ただしトレイがやたら照明を反射してたのは気になった。ゆかりの衣裳がメイド服ふう(スカートにバネが入ってるみたいな感じ)で、下手するとどっちがウェイトレスなのかわからない。でもあのスカートの形は終盤のドンデン返しでは非常に効果があった。あのシーンのゆかりの動作はなんともコミカルで可笑しい。

叔母さん役は脚本からするともっと肥ってる人が理想的なのかもしれないけど、安定した演技でそれなりに貫禄もあって安心して観ていられた。脚本も今回ちょこちょこ手が加えられてたっぽい。初演のころは「ブログ」なんて言葉はまだなかったような気がする。それともあれは役者さんのアドリブか!?

スタッフからいろいろダメ出しされるシナリオライター北森ちゃん役は前年の『十二人の怒れる人々』では被告の無実を主張して他の陪審員を説得していく役だった役者さんで、そのときの堂々とした印象が強いせいか今回は動きが硬かった印象がある。でもこのひとの声は好きだな。

2日目には客席に若竹さんが来ていたらしい。サインがもらえるチャンスだったが当日持っていたのは山村正夫『わが懐旧的探偵作家論』(双葉文庫)の1冊だけだった(笑)