2007年10月26日金曜日

時間堂『月並みなはなし』

王子小劇場10/20(土)夜の部を観る。やられた。劇団や主宰者にはそれほど関心はなかったんだけど今回の公演で見直した。この脚本はいい。言いたいことがちゃんと伝わってくる。

何かメッセージみたいなものを押しつけてくるわけではない。かといって「人それぞれの感じ方をしてもらえれば結構です」みたいな感じでもない。そんなこと言っといて後から「でも実はアレにはこんな意味もあるんですよね」とか言い出しそうなあざとさも感じられない。

あの無駄なくスッと伝わってくるストレートさには、そうとう稀有なものを感じる。あともう1回は観にいく予定。また今後も再演を重ねていくべき作品だと思う。

と、褒めてばかりでも気持ち悪いので、以下個別にちょっと気になった点。(ちなみに設定は月への移民を選ぶ最終選考試験に落ちた面々がレストランに集まって残念会を開くところ)

  • 移民管理局(?)のスタッフ(試験官?)がいきなりレストランに現われたのに、なぜかみんなあまり驚かない。(集まりやすさを考えて、試験のあった訓練基地(?)に近いレストランを選んだ?)
  • 最後の実技試験(?)でかなり長期間ひとつところで顔をつき合わせていた(このへんは萩尾望都の『11人いる!』をイメージしてれば当たらずとも遠からず)にしても、みんながみんなファーストネームで呼びあうのはちょっと不自然かも。
  • ユリコの「できちゃったらしいの」に対するススムの「え!? そんなわけないだろ」は、単に「他の人のいる前でそんな話するなよ」という照れ隠しなのか、それともあの時点でのユリコの妊娠は論理的にありえない(あるいは少なくともススムはそう確信している)という設定なのか。
  • 題名は決して悪くはないしむしろ好きなほうなのだが、インパクトには欠けるのでちょっと損してるかも。
  • あと、Wキャスト男優バージョンのときも役名は「ハナ」なの!?

書いてるうちに待ち遠しくなってきてしまった。寝る。