2008年7月14日月曜日

こゆー

「わが国固有の領土」、そう言葉にしてしまった瞬間に露呈してしまう固有性の乏しさというのは如何ともしがたい。

教科書に明記したからといって「竹島ってどこだっけ」「ふーん、あっそ」で終わってしまうのは、先ごろ報じられた都道府県の位置を答えさせるテストの正答率の低さからして想像がつきそうなもんだが。

仮に竹島なり独島なりに日本人なり韓国人が住みつき、そこに生まれ育った人々がその島を自分たちの故郷と思って疑わなかったとしても、優先されるのは「○○国固有の領土」かどうかであって彼らの事情は一顧だにされないのだろう。

おそらく日本人の誰かが住みつこうとした時点で、誰あろう日本政府から横槍が入るにちがいない。「固有の領土」という物言いには、そこを何か不可触の聖域と化してしまおうとする傾向が感じられる。

もしこれが例えば竹島に日本人の灯台守が家族とともに住んでいました。一人娘はまだ幼かったので灯台守は彼女のために犬を飼ってやることにしました。娘は犬をたいそう可愛がり育てていました。ところがある日、島に韓国人がやってきて、彼らはその犬を殺して食べてしまいました。ということであれば私だって「竹島を韓国人どもから守れ」と思うだろう。

そうした経緯もなしに「固有の領土」と言われても、それは単にその島に対する領有権を、政治上、外交上のカードとして確保しておこうという思惑しか見えてこない。