2008年7月4日金曜日

老人2題

副都心線のシートの背もたれの天辺に両手をかけ、向こうむきになって窓の外を眺めている初老の小柄な男。窓の向こうは真っ暗なのだが子供のように一心不乱に、首をキョロキョロさせて進行方向の線路のあたりを注視している。たぶん最近までこの地下鉄の工事をやってた人なんだろうなと思う。

昼下がりの住宅街の、家々のポストにチラシを差し込んで歩く初老の小柄な女。タスポ導入の反動で今後雇用機会が増えそうな煙草屋の店番なんかのほうが似合いそうなのに、なにもこんな年寄りにあんな仕事をさせることはないだろう。だからといって若者がやっても有意義な仕事とは思えないけど。