2007年2月4日日曜日

ある(かもしれないし)ある(とは言えないかもしれない)大事典

このところの「あるある大事典」騒ぎで一番びっくりするのは「番組を信じて○○を買ったのに」とかいう「視聴者の声」だ。

この番組は見たことないんだけど、たぶん報道番組ではないんだよね?

だったら番組側に「真実を伝える」義務なんてない。あくまで「科学的に証明されました」っぽい雰囲気を楽しむエンタテインメント番組のはず。その「科学的っぽさ」を100%信じてしまう視聴者のほうが明らかにバカ。

ま、それまではなんとなく見てたけど捏造が発覚して初めて「100%信じてた」になる人も何割かはいるんだろうけど。毀損されて初めて芽生える名誉みたいな。

そもそも「Aすれば必ずBになる」を証明するのは並大抵のことではない。「AしたけどBになりませんでした」って人が1人でもいれば成り立たなくなっちゃうわけだから。それを毎週新たなA・Bの組合せでやっていくなんてどだい無理。

番組のタイトルからしても、一見結びつかないAとBの間に因果関係を立証する、なんていう科学的かつ反骨的な姿勢は感じられない。

ふだんから「AすればBになりそう」と思われてる(いかにもありそうな)ことを適当にピックアップして、あとは専門家のコメントを加える等により科学っぽいムードが出せればいい。番組としての狙いはせいぜいその程度のところだろう。

視聴者が「あるある大事典」に真実を伝えてほしいと願うのは勝手だ。エンタテインメント番組にもなんらかの真実はある。かもしれない。

が、彼らがそう願い、かつ自ら多少でも努力したのであれば、彼らが番組から読みとるべきメッセージは「納豆を食べれば痩せる」ではなく「納豆を食べても痩せない、とは必ずしも言えない」だったはずだ。