財布から出てきた数日前のレシートを見て一瞬迷う。
ナシ カンキユウ
なんだこれは。
そこの店のレシートが「メーカー名(またはその略称) 商品名(またはその略称)」というフォーマットであることはわかっている。
メーカー名が「ナシ」ということは、よほど名もない会社の日用雑貨品でも買ったのだろうか。
商品名の「カンキユウ」は「カンキュウ」なのだろうが、と、ここまで来たところで思い出した。流しの上の蛍光灯が点かなくなったので新しいのを買ってきていたのだった。漢字になおせば管球である。
そうすると「ナシ」も「無し」なのではなく「ナショナル」の略なのだった。これはちょっと面白かった。
そのうちちょっとした電球なんかもNationalブランドではなくPanasonicとかいうスカした名前になってしまうのだろうか。それは嫌だな、と思う。